お盆号 | 宗教法人 龍性院 | 埼玉県比企郡吉見町にある”真言宗智山派岩室山龍性院”のオフィシャルホームページ

お盆号
  • お盆号2023.08.01

    日に日に暑さも増し、今年も夏のお盆の季節を迎えます。何もせずとも“夏バテ”になってしまいそうな程、埼玉の夏は暑い!檀信徒の皆様は、夏の暑さに負けずお変わりなくお過ごしでしょうか?

    例年、お盆の季節にはいわゆる「帰省ラッシュ」という言葉がメディア等で盛んに報道されます。過去3年間、新型コロナウイルス感染症の社会的影響により、それ以前に比べればラッシュも緩和していた様に思われますが、今年の5月のゴールデンウィークの各地の混雑状況を見ると、今回のお盆はかつての帰省ラッシュに近いものになるのではないかと、推察されます。

    「帰省ラッシュ」とは、大渋滞の中、多くの国民が故郷に帰る為の大移動のことを言います。故郷では、親族や縁者が大勢集まり、お盆に亡きご先祖様をお迎えします。そして、集まった皆でご先祖様とのご縁を確認し、そのご縁に感謝する貴重な機会となるものです。あの大渋滞の中、ひたすら多くの方が故郷を目指して帰るのは、ご先祖様も含めた多くのご縁を感じ、心安らかに過ごしたいと強く願うからだと思います。そしてご先祖様もまた、今を生きる皆様とお盆にお会いできることを、きっと楽しみにしておられるはずです。

    ご先祖様は目に見えません。しかし、お墓参りや仏壇の前で手を合わせる時、私たちは心の目でご先祖様を見ています。そして、時にはご先祖様に語り掛け、好きだったお酒やお食事等をお供えし、近くにご先祖様を感じています。目には見えなくとも、決していなくなったわけではないのです。

    私たちも、いつか寿命を迎えるとご先祖様と同じところへ往きます。しかし、普段からご先祖様を身近に感じられていれば、きっとその時も寂しくはないでしょう。

    お盆は、ご先祖様も「帰省」されます。ご先祖様を近くに感じる、良いお盆をお迎え下さい。

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  • お盆号2022.12.15

    今年も1年の半分が過ぎ、早くも後半戦、お盆が近づいて参りました。お盆は、亡きご先祖様を1年に1度ご自宅へお迎えし、皆様と共にお過ごし頂く大変貴重な機会です。

    何かと気忙しい現代社会の中で、様々な伝統行事が縮小され、社会の有様はこの半世紀ほどで急激に変化をして参りました。人同士の繋がりは煩わしいという一面のみが重要視され、弱体化し、生きていく為に必要な資源は、すべて貨幣を通じて得るモノとなりました。未だ、失われた30年から脱却できていないわが国ではありますが、大昔に比べれば、遥かに経済的には豊かになったはずです。しかし現状は、生きる為に必要な資源を、すべて貨幣を通じて得るという社会構造になり、人との繋がりを疎かにしてしまいました。そして今、生きていく為にはいくらお金があっても足りないという現実と、いざ困った時に誰も頼ることが出来ないという“孤独”に、私たちは悩まされています。

    人間一人では生きていけません。今の自分があるのもご先祖様たちがいたからです。同じように、今の自分がいるのは、人間社会で繋がりを持った多くの方がいるからです。お盆にご先祖様に手を合わせるという事は、報恩の心を育む大切な一歩です。どうかその報恩の心を、ご先祖様と共に、この世で縁のあった皆様にもお向け下さい。「繋がりを大切に…」

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  • お盆号2021.08.08

    本年も7月を迎え早後半戦、年々時の過ぎ去るスピードが速く感じられます。特にこの1年半程は新型コロナウイルス感染症の影響もあり、外出する機会は減り、季節を感じる四季折々の諸行事も中止が相次ぎました。今まで、一年という単位で体感していた時の経過は、単に一日の積み重ねとしての時の経過の様に感じられ、無闇に歳を重ねる日々を送ってしまい、気づいたら一年が終わっていたなんて事に皆様なってはいませんか?

    『日日是好日』という禅語がありますが、そのまま文字通り解釈すれば「毎日が好い日である」と読めるかと思います。しかし、日々を比較してしまえば、失敗したり上手くいかなかった日というのは「悪い日」だと思ってしまいます。では、この“好日”とは何か考えてみますと、他と比べて良い悪いという意味ではなく、それは一日一日がかけがえのない有難い日という事なのかなと私は思います。雨が降り自宅でボーっとしている日も、晴れて外で草むしりをする日も、二度と同じ日は来ない有難い一日です。コロナ禍の終息を願い、命ある限り『日々是好日』と感じる心を養いたいものです。

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  • お盆号2020.07.15

    令和2年も早折り返しを迎え、いよいよ夏本番が近づいて参りました。しかし今年は、新型コロナウイルス感染症拡大防止の為、お祭りや花火大会、海水浴等を楽しむ事は困難になっております。毎年、夏が来れば当たり前だと思っていた風物詩が、今はすごく遠いものに感じられます。仕事はテレワーク化が進み、実家への帰省や友人との飲み会もオンラインで行われる様になり、今回のコロナ禍は“新しい生活様式”の元、私たちの生活を文字通り一変させました。

    しかし考え方によっては、今回のコロナ禍は私達にとって真に大切な事や有難い事を今一度見つめ直すきっかけになったのではないでしょうか?オンラインで会議や帰省、飲み会等ができるのは便利です。今後も上手く活用すれば、私たちの生活を間違いなく豊かにする助けとなるものです。しかし実践してみて気づかされるのは、やはり実際に皆が集まる事ができたらもっと良いよねという事だと思います。コロナウイルスが終息したとき、今まで当たり前だと思っていたものの有難さに気づき、真に大切な事、有難い事をしっかりと理解できる心を獲得していたいものですね。

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  • お盆号2019.07.19

    本年5月1日、新天皇陛下のご即位にともない、日本は新たな時代〝令和〟を迎えました。そのちょうど一月前の4月1日、官房長官より新元号を〝令和〟と定める旨の発表があり、その出典元や意味にも注目が集まりました。

    ひとつ前の元号である〝平成〟は、中国の歴史書『書経』と『史記』が出典元と言われており、その意味は「国の内外、天地ともに平和が達成される」というものでした。一方、新しい元号〝令和〟は、『万葉集』の一節が出典とされており、国書からの引用は初めての試みでありました。また〝令和〟には「人々が美しく調和し、文化を育む」と言った意味が込められているのだそうです。〝平成〟も〝令和〟も、その意味の中にある深い想いをもって定められた元号なのだと、私は改めて納得をいたしました。

    さて、そんな素晴らしい意味を込めて始まった新時代でしたが、5月19日には山形県東根市で、眼科医の女性が面識のない男子大学生に殺害されるという事件がありました。また、5月28日には神奈川県川崎市多摩区に於いて、小学校へ通学する為にスクールバスを待っていた児童や保護者が次々と刺され、外務省職員の39歳の男性と小学6年生の女児が死亡し、犯人の男も事件直後に自殺するという凄惨な事件もありました。お亡くなりになられた方に謹んで哀悼の意を表します。

    三帰礼文というお経がございます。その冒頭では、「人身(じんしん)受け難(う  がた)し今(いま)すでに受(う)く」とお唱えします。人としてこの世に生を受けることは大変難しいことであるが、今私たちはすでにこの世に生を頂いているのです。この地球上には、私たち人間や動物、植物も含め数限りない命があります。そしてその数限りない命の中で、私たちは人間として命を受けることができました。この命は、過去のご先祖様が私たちに引き継いで下さった宝物なのです。無数のご先祖さまの誰かひとりが欠けたとしても、今の私たちは存在できない、尊く有り難い命なのです。

    新たな時代の始まりと言っても、今日は昨日の明日であって突然大きな変化を期待するのは難しいことかもしれません。しかし、新元号〝令和〟に込められた意味にあるように、人と人がお互いを尊重し親しみを深めることで文化は育まれ、人は成長してきました。私にとっての有り難い命は、他にとっても有り難い命のはずです。新時代にあたり、私たちひとりひとりが今一度命の尊さを見つめ直し、人の命や自らの命を奪うような事件が一刻も早く無くなる様、ご祈念いたします。

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