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平成31年春彼岸号

雑草も慈しむ

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晴天の素晴らしい日があったと思ったら雨の日が続いたりと、冬から春への季節の変わり目らしい落ち着かない天候の今日この頃です。
未だに日中でもストーブが必要な日もありますが、それでも、晴雨に関わらず着実に春が近づいているなと実感できる暖かい日が増えて来ている様に感じます。
春はもう目の前です。

さて、暖かくなってきて嬉しいのは私たち人間だけではありません。
これからの季節は、庭の雑草にとっても非常に過ごしやすい、成長のシーズンを迎えます。
せっかくキレイに草むしりをした庭に、5日も経てばまた新たに雑草が生えてきているのを見ると、憂鬱な気持ちになりますよね・・・。
これから約半年間、そんな日々が続くのかと。

しかし、人間に嫌われ、不名誉にも〝雑草〟と名付けられた植物も、実はそれぞれ大切な役割をもって存在をしています。

例えば、園芸植物と一緒に雑草が生えていると、害虫はまず背丈の低い柔らかい雑草から食べるので、食害を防いでくれるのだそうです。
また、土を浄化する効果もあり、酸性に傾いた土壌には酸性を好む草が、アルカリ性に傾いた土壌ではアルカリ性を好む草がそれぞれ生える様になり、どちらかに土壌が偏ることがないよう、中和してくれるのだそうです。
その他にも、根を深く張り土が浸食されるのを防いだり、夏場には地面の温度上昇を妨げ、土の中にいる微生物や他の植物を守る等、数多くの有益な役割を果たしてくれているのです。

仏教では、あらゆる生き物を慈しむ心を大切にします。
それは、私たち人間の命が人間だけでは存在することはできず、あらゆる動物や植物の命とつながって初めて存在し得るものだからです。
私たちが〝雑草〟と呼ぶ植物も、自然がこの世に必要なものだと認めたから存在するものであって、決して〝雑〟草なんかでは無いのです。
もちろん、生活する上で庭や畑、道路等の手入れは必要ですが、いたずらに駆除するのは自然のバランスを崩してしまうことに他なりません。
いずれ私たちの生活に影響が表れることも考えられます。

私たち人間の社会でも、「あいつは役に立たない奴だ!」等と厳しい言葉が飛び交うのを聞くこともありますが、大切なのは自分の価値観だけで物事を考えてはいけないということなのではないでしょうか?
〝わたし〟が思う役に立たない〝あいつ〟も、私たちの知らない所で、誰かの助けになっているのかもしれません。

雑草が自然を労わる様に、私たちも自然を労わりながら生活していきたいものですね。

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